介護労働安定センター発表資料②

●前回の続き……

 僕もそう思うよ。真に解決しなければいけない問題は何か、従業員が本当に望んでいることは何か、を考えるタイミングに今あるんじゃないかな。話を戻すよ。次に仕事を辞めた理由を聞く質問があるんだけど、そこでは①仕事の将来性、②職場の人間関係、③会社の理念や運営の在り方、④収入、などが上位を占めてるね(15~25%の職員がマイナスに見てる)。あと気になったのは、辞めた理由として女性の場合は「結婚・妊娠・出産・育児」が高い(25%)のは、女性が圧倒的に多い職場としては問題に感じるね。それと男性では「自分の将来の見込みが立たなかった(29%)」は会社側の姿勢が問われているね。会社側としてキャリア形成の目標を提示することは当たり前と思って欲しいね。
 確かにそうだね。ぼくも今の仕事はもちろん大切で、これからもしっかりやっていきたい。だから、10年先の仕事の目標や管理職になるための必要要件を学べる場が欲しいと思うよ。
 先に挙げた退職理由は、経営のあり方や管理職の仕事ぶりと関係しているね。また別の質問で「悩みや不安・不満の相談ができない」といった回答が4人に1人と多かったのは、上司である管理者の姿勢やコミュニケーションの現状は大丈夫か、少し心配になるね。管理者のマネジメント能力は今一度点検が必須だね。優秀な管理者が多い会社は、トップから管理者そして従業員と一枚岩で仕事に臨む姿勢がよく見られるし、コミュニケーションが活発で、日々業務改善が行われ、活性化していると言って過言じゃないからね。介護業界は人手不足でマンパワーが十二分とは言えず結果仕事が忙しいけど、働き易い・働き甲斐のある職場にしていくそして魅力あふれる会社になってもらいたいね‼ 介護の仕事はそもそも人間味あふれる仕事で、満足感が必然的に高くなるはずだよ‼ 今の勤務先で働き続けたいと回答した人が6割近くと高いのも事実なんで、改善が本当に求められているよ。
 介護業界は人間そのものが主体の産業だもんね。そこに焦点を当て、粘り強く改善を重ねていく必要がありそうだね。うん、そうだ‼
 別な統計データを最後に見ると、介護業界は人手が不足し、肉体的・精神的な負担が重く、それでいて社会的評価が低い、そして休みが取れないと思っている人が少なくないね。また勤続3年未満の離職者が全体の6割だよ。これだけ問題があるからこそ、あるべき姿や到達したい目標を中期的に描いて、今日より明日そして明後日と働き甲斐のある・働き易い職場にしていきたいね。すなわち活性化した組織をつくる、やりがいを形にする、そして皆の力を一つに結集できる、そんな人事制度を整備することに踏み出したいね‼ 元来、コミュニケーションはいいんだから、ボトムアップをキーにしたらいいよ。きっと上手く行くはずだよ‼

(おわり)